腸活日記

健康のために腸を中心とした活動の記録

腸内細菌学の歴史-1944~

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https://www.jstage.jst.go.jp/article/jim1997/15/2/15_2_57/_pdf/-char/ja

 

光岡 知足 東京大学名誉教授

 

 1944年アメリカのWacksmanが抗生物質を発見し,のちに抗生物質が腸内フローラの構成に及ぼす影響の研究に発展した.


 腸内細菌学の歴史-腸内微生物生態学のスタート-腸内における細菌を集団として捉えての研究,すなわち,腸内フローラの研究は,1950年代になってはじまった.腸内フローラの包括的検索培養法の開発は,東ドイツのHaenelら(22-26),およびわれわれ(43-46,55-58)およびイギリスのDrasar(10)によってなされた.


 新たに開発された培養法を用いて腸内から次々と乳酸菌や嫌気性菌が分離されるようになり,Lactobaoillus属がRogosa(70),Sharpe(83),Reuter(36,69),
Kandler(35),Mitsuoka(15,41,49)らにより,Bifidobacterium属がDehnert(9),Reuter(68),Mitsuoka(42,91),Scardovi(77-79)らにより,嫌気性菌群がMoore(29),Mitsuoka(45)らにより菌種の分類・命名・記載がなされ,腸内細菌の分類は急速に進展した

 

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腸内細菌学の歴史-1907~

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光岡 知足 東京大学名誉教授

 

1907年Metchnikoffはヨーグルト常用による不老長寿説を発表した.
すでに1885年,Pasteurは「高等動物は腸内細菌なしでは生存しえないであろう」と考えたことに刺激されて,無菌飼育が試みられたが,動物を代を重ねて無菌飼育に成功したのは,約60年後の1945年アメリカ・ノートルダム大学のReyniersらおよびスウェーデンカロリンスカ研究所のGustafssonらによる無菌ラットの作出まで待たねばならなかった.Gustafssonらは無菌動物を腸内細菌の機能の研究に利用し(20),その研究はMidtvedtら(21,39)に受け継がれて今日に至っている.

 

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腸内細菌学の歴史-1950年まで

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光岡 知足 東京大学名誉教授

 腸内菌の研究は,Leewenhoekが自家製の顕微鏡でヒトの糞便を観察し,多数の腸内菌を発見したのが最初である.しかし,腸内菌の研究が本格的にはじめられたのは,それから150年もたって,Pasteur(1822-1895)によって発酵が微生物によって起こり,滅菌法が考案され,Koch(1843-1910)によって純粋培養法が開拓されてからである.


 そのときを境として,1886年にはオーストリアの小児科医Escherichによって乳児の糞便から大腸菌(Escherichiacoli)が分離され,まもなく,コレラ菌,チフス菌,志賀赤痢菌などの病原菌も次々と発見された.


 1899年,パストゥール研究所のTissier(90)は母乳栄養児の糞便からビフィズス菌(Bifidobaoteriumbifidum)をはじめて分離し,その翌年,1900年,オーストリアの小児科医Moro(61)が人工栄養児の糞便からアシドフィルス菌(Lactobaoillusacidophilus)を発見し,ここに,腸内乳酸菌の代表格の2種類が早くも出揃った.


 このときから,ビフィズス因子の研究がはじまった.さらに後の1935年,アメリカのEggerthとGagnon(13)は,成人の腸内から多数の嫌気性菌が分離されることを報告したが,この新しい知見は,それからさらに20年間も顧みられず終わってしまった.

 

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腸内フローラの研究と機能性食品

腸 内 細 菌 学 雑 誌  15: 57-89, 2002

東京大学名誉教授 光 岡 知 足

 

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【要 旨】20世 紀後 半,腸 内 フ ロー ラの研 究 は飛躍 的 に進展 した.

す な わち,腸 内 フ ロー ラの検 索 ・培養 法 の開発 に始 ま り,腸 内嫌気 性菌 の菌 種 の分類 ・同定 法 が確立 され,多 くの微生物 生 態学 的知見 が集 積 し,腸 内 フロー ラは宿主 の健康 に有利 に も不 利 に も働 き,腸 内 に有 害菌 が優勢 に存 在 す ると,

 究 極的 に は宿 主 の病 的状態 を惹 き起 こ し,一生 の間 には種 々の疾 病 の原 因 ともな る ことが 明 らか にされ た.一 方,有 用菌 の存在 は大 腸 内の効 果的 な掃 除役 を果 た し,腸 内 に有 用菌 優勢 有害 菌劣 勢 の フロー ラバ ラ ンスを維持 す る ことは疾病 予防,健 康維 持 ・増進 につ なが るこ とが明 らか に され た.

 こ の発 見が きっか け とな り,機 能性 食 品の考 え方 が生 まれ た.機 能 性食 品 は,ス トレス,食欲,吸 収 な どの体調 を改善,ア レル ギ ー低 減化,免 疫賦活 な どの生 体防 御,下 痢,便 秘,癌,高 脂 血症,高 血圧,糖尿病 な どの疾病 予 防 と回復,免 疫刺 激,変 異原 作用,発 癌,老 化抑 制,生 体酸 化,腸 内腐 敗 な どの抑制 を通 して老化遅延 に作 用す る.

 本 講 演 で は,こ れ までの腸 内 フ ロー ラ研究 の進 展 とそれ が機能 性食 品 の開発 に どの よ うに反 映 して い ったか につ いて,わ れ われ の研究 を 中心 に述 べ,次 いで,今 後,機 能 性食 品 は どのよ うに発展 して い くか につ いて考察 を加 えた い.

 

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順天堂醫事雑誌-3

腸内細菌

 腸内細菌と宿主の免疫,代謝等の密接な関係から,腸内細菌のdysbiosisが宿主の健康と疾病に影響を及ぼす学術的エビデンスが近年急速に蓄積されてきている.

 これに伴いProbioticsによる健康管理,疾病の予防や治療をも見据えた研究も活発になり,近い未来の医療に大きなインパクトを与えるものと期待される.

 

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順天堂醫事雑誌-2

腸内細菌

 胎児期に無菌の腸管は,出産時に産道を通過する際に母親から菌を獲得し腸管内へ生着が開始する.母乳栄養児では生後3ヵ月頃までにBifidobacteria優位の菌叢になり,生後6ヵ月頃には全体の90%以上を占めるようになる.

 しかし離乳食の導入に伴い,人工栄養児のそれと次第に差異は縮小する.他方未熟児は帝王切開(帝切)で出産する例が多く,母親から出産時に菌を獲得する機会を逸し,NICU等の環境から得る菌が最初に腸管へ生着する結果,腸内細菌構成の異常(dysbiosis)を生じ,新生児期の感染や壊死性腸炎NEC)等の病的潜在リスクとなる.

 いわゆる善玉菌の腸内細菌,特にBifidobacteriaは,消化吸収,免疫を含む腸管防御等の腸管機能や解剖学的発達,成長に重要な役割を果たす.

 

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順天堂醫事雑誌

腸内細菌

ヒトの腸内細菌の動態が,培養不可でそれまで知りえなかった菌も含め,より詳細に明らかになってきた.ヒト成人の腸内細菌には,約500~1,000種,100兆個の菌が生着し,その構成の割合は食事(栄養)の影響を受けて生涯を通して変化し,また内的,外的な両方の環境の変動にも修飾されて敏感に反応する.
腸内細菌構成菌の変動は,分子シグナルを介して宿主の代謝と免疫など,生理,生化学的機能に影響し,宿主の健康と病的状態に密接に関係する.

 

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